アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

【湯】=スープ、風呂

前回【湯たんぽ】を取り上げたので、お湯つながりで、今回は【湯】という言葉について取り上げる。

私が韓国語を学んでいたとき、韓国語で【湯】の漢字音は탕なのだが、
この탕【湯】がつく言葉は、スープかお風呂に関係するものだった。
それがなんとも日本語とは語感が違って感じられ、
韓国語の中の漢語由来要素(?)のように、当時は思っていた。

韓国語の例
 삼계탕【蔘鶏湯】---サムゲタン(鶏肉の中に具材を入れたスープ)
 목욕탕【沐浴湯】---風呂屋、銭湯

特にスープの意味で用いることが多く、韓国で食べ物屋にいくと~탕という各種スープがあった。

この【湯】という漢字でスープやお風呂を意味するのは韓国語独自というわけではなく、漢和辞典(昔の中国語)にも載っている。

日本語では、スープの意味はないと思うが、お風呂の意味では「銭湯」などで出てくる。

中国語(普通話)では、お湯の意味と、スープの意味と、温泉の意味があるようだ。

ベトナム語では、漢方薬の~湯のような薬関係の意味があるようだ。

いずれにせよ、韓国語の탕【湯】がつく単語はだいたいスープかお風呂関係で、独特の漢語系語彙の渋さを感じた。
そして漢和辞典や現代の中国語辞典を見比べると、やはり漢語由来の意味なのだなと再確認できた。
韓国語の中にあるこういう渋い漢語系語彙が、私は好きだ。

久しぶりに韓国料理のナントカタンでも食べてみたくなってきた。