アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

【歩】という漢字で日本語とベトナム語がつながる

ベトナム語で「歩く」はđi bộという。điは「行く」という意味のベトナム固有語。bộは漢語系語彙であり漢字の【歩】のベトナム語読みである。直訳すればđi bộで「歩くことを行く」とでもなるのだろうか?
ところで現代中国語では「歩く」は一般的にbù【步】ではなくzǒu【走】と言う。
漢和辞典(昔の中国語)では【歩】は「歩く」の意味、【走】は「走る」の意味として載っている。すなわち昔の中国語から現代の中国語で、意味の変化があったのだ。
しかしながら、日本語では【歩】は訓読みで「あるく」となり、昔の中国語の意味を保っている。
そしてベトナム語でもđi bộという表現で「歩く」を表し、やはり昔の中国語の意味を固持している。
つまり、日本とベトナムという遠く離れた地で、【歩】という漢字の昔の中国語での意味が、同じように生き残っているのだ。

今日の例文
 Họ đi bộ với chúng tôi.
 (彼らは私たちと一緒に歩く。)