妻がやっているラジオ講座「まいにちドイツ語」のテキストをのぞき見してみた。「再帰代名詞」という項目があり、気になった。日本語に直訳すると「私は私に手を洗う。」という言い方をドイツ語ではするらしい。ドイツ語で「私は私の手を洗う。」と表現すると、それは「手を取り外してゴシゴシ洗う感じ」になってしまうらしい。なんじゃそりゃ。
「私は私に手を洗う。」とはなんとも不思議な言い方だなあ。脳みそを軽くかき回されたような感覚を覚えた。外国語を学ぶということは、自分の中になかった世界を自分に取り込む行為なのかもしれない。人間、自分の知っている世界だけで満足しているとどんどん偏屈になってしまう。こうして外国語を通じて新しい価値観に触れることで、きっと頭も少しずつ柔軟になっていくにちがいない。
ところでそのあとネットで調べてみると、どうも英語でも同じような表現があるらしい。例えば次。
You must prepare yourself for the worst.
(あなたは最悪の事態に備えなければならない。)
直訳すれば、「あなたはあなた自身を最悪の事態に備えなければならない。」とでもなろうか。こういうのは "prepare oneself" のかたまりとして丸暗記するタイプの表現だと思っていたが、実はドイツ語の「私は私に手を洗う。」という再帰代名詞と似た表現のようだ。なるほどなあ。
ドイツ語に触れてみて、それを英語と対照してみることで、英語の理解も少し深めることができた。こういう学習法をもっと実践することができたら楽しいだろうと思う。
(素人の考えなので間違いがあったらすみません!)