アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

中国音韻学を独学しようとしたが素人には難しすぎる

日々、日中韓越の漢語系語彙を取り上げている。ひとつの漢字に対して、音が似ていたり、少し違っていたり、かなり違っていたりすることに気づく。どういう経緯でこのようにズレが出たのだろうかと気になる。また、中国語漢字音の○○は、韓国漢字音(朝鮮漢字音)では○○で、日本漢字音では○○で、ベトナム漢字音では○○だ! というような分かりやすい法則がないか知りたくなる。

 

そういうことを学びたくて調べていると、どうも中国音韻学という分野が近いことに気づく。そして中国音韻学に関連するであろう書籍をいくつか読もうとすると・・・これがめちゃくちゃ難しい。素人の独学では難解すぎる。少し本を開くと、そこは専門用語のデパート───。反切だの声母だの韻母だの介音だの主母音だの尾音だの広韻だの韻図だの韻鏡だの切韻だの反切系聨法だの平声だの上声だの去声だの入声だの平仄だの陽平だの陰平だの全清だの次清だの全濁だの次濁だの・・・。そんなのわけがわからんわああ!!! となってしまう。

 

そもそも中国の伝統的な音の分析方法が、今の西洋的なアルファベットでの考え方と、まるっきり異なる印象を受ける! 例えば漢字の音を表すのに、とりあえず音を2つに分けて、それぞれを別の漢字で表すという、めちゃくちゃまどろっこしいことをやっている! なんやねんそれ! この時点でもうついていかれへんわ・・。それから声調を表すのにも、音の上がり下がりだけでなく、語末のp t k で詰まる音までを声調のひとつに無理矢理組み込んでいて余計にややこしくしている印象がある。それは声調とは違うんじゃないかなと思ってしまう。昔の中国というボイスレコーダーもなにもない状態で、今の西洋的な分析方法とは異なる方法を、むりくりなんとかがんばって編み出してやったぜ感がすごい! そしてそのクセが強すぎる。さらにそれが昔の音だから、実際にどんな音だったかはっきりわからないという! 実際の音がわからないから、なおさら専門用語での説明ばかりになる。その結果、常に抽象度の高い状態で解説されているかのような印象を受ける! これは大変だ。

 

例︰「東」の音の表し方

 ①「東」(dong)をdとongに分ける。

 ②dは「徳」(dok)からとってくる。

 ③ongは「紅」(hong)からとってくる。

 ④「東 徳紅切」と書いて、「東」の音は、「徳」の一部と「紅」の一部をくっつけた音だよ、と示す。

 

・・・なんやねんそれ!!わけわからんわ!!

 

しかしあまり中国の伝統的な学問を悪く言うのも良くないかもしれない───。単に現代の西洋的なアルファベットでの考え方が私の中に知らず知らずのうちに浸透して、それが必ず正しい唯一無二の考え方だと思い込んでいるだけなのかもしれない。西洋的価値観で他の文化を見下すようなことはしたくない。

 

さて、どうしたものか。