アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

漢字・漢語ってそんなにえらいものなのか? 自分のブログへの批判。

当ブログでは日々、日本語・中国語・韓国語・ベトナム語に共通する語彙を紹介している。それは漢字で書ける単語である。
古くから中国の影響を大きく受けてきた日本・朝鮮・ベトナムでは、言語の中に中国語由来の漢語をたくさん取り入れてきた。また、明治以降は、日本で新しい漢語が大量に開発され(和製漢語)、それが中国・朝鮮・ベトナムに逆輸入されていった。
私は日本語・中国語・韓国語・ベトナム語に漢語の同じ語彙がたくさんあることにおもしろさを見出し、それらを活用して効率的に学習しようとしている。
しかしこういう勉強法は、日本語・韓国語・ベトナム語に元から存在する固有語を無視していくことにもつながっている。


例えば【国家】という漢語系語彙。日本語では"kokka"、韓国語では"kukka"、ベトナム語では"kuokza"のように読む。なんとなく発音が似ていて覚えやすい。
しかしこれでは日本語・韓国語・ベトナム語に元々から存在する固有語は覚えることができない。日本語では"kuni"、韓国語では"nara"、ベトナム語では"nuok"という固有語がある(※)。私の学習法ではこういった固有語がごっそりと抜け落ちていく。
現に、私は韓国の新聞などに書かれている堅苦しい韓国語はほんの少しわかるが、話し言葉の韓国語は苦手である。堅苦しい韓国語には漢語系語彙が大量に使われているので、日本語からの類推がききやすいが、話し言葉の固有語は日本語とは全く異なる。
結局は漢字権威主義に陥っているのだ。それはともすれば中華文化が偉大で、それ以外の周辺地域の蛮族の文化は劣っているものであり、中華文化に倣うべきだという中華思想にもつながりかねない。


別の極端な例を出してみる。日本語で「今日のミーティングのアジェンダは、クライアントに提供するサービスのクオリティーについて」などといってみる(これでも一応日本語として成り立っている)。これを見て、「なるほど英語と日本語には共通の語彙が多いぞ! 覚えやすいな! わははは!」などとおもしろがったり、英語をありがたがったりするようなもの。英語権威主義。これでいいのか?


そんなこんなを自問自答しながらも、今日も私は自分の興味のおもむくまま、日中韓越に共通する漢語系語彙を調べ続ける───。趣味だから別にいっか。


※日本語の固有語"kuni"は実は中国語の【郡】が由来となっているらしいが、その話はまた後日。。。