アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

日本語で【三位一体】をなぜ「さんみいったい」と読むのか

前回の投稿で、語末の-mと-nの話をさせていただいた。
ところで日本語で【三位一体】ということばがあるが、これは「×さんいいったい」ではなく「さんみいったい」と読む。これはなぜだろうか。
韓国語を学ぶとそこにヒントがある。韓国漢字音では【三】は삼(sam)、【位】は위(ui)となる。これをつなげて読むと"samui"となる。日本語の「さんみ」も、【三】の古い漢字音"sam"と【位】の"i"をつなげて、「さんみ(sammi)」となっているのである(韓国語の読み方とはちょっと違うが)。
日本漢字音ではやがて【三】は"sam">"san"と変化したが、【三位一体】という熟語では古い"sam"の痕跡が生きているのだ。
アジアの言語を学ぶことで、日本語についても理解が深まると私は信じている。


最後に【三位一体】は日中韓越すべてに存在することばなのでご紹介する。

日本語
 さんみいったい【三位一体】
  国家が発展するためには家庭、学校、社会が三位一体となってお互い協力しなければならない。

中国語(普通話
 Sānwèi yītǐ【三位一体】
  在远古的时候,诗歌、舞蹈、和音乐原是三位一体,分不开的。
  zài yuǎngǔ de shíhòu shīgē wǔdǎo hé yīnyuè yuánshì sānwèi yītǐ fēn bù kāi de  
  (遠い昔には、詩歌と舞踊と音楽とは三位一体で、不可分のものだった。)

韓国語
 삼위일체【三位一體】
  학교와 사회와 가정이 삼위일체가 되어 교육에 노력하자.
  (学校と社会と家庭が三位一体となって教育に努力しよう。)

ベトナム語
 Tam Vị Nhất Thể【三位一體】