アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

【弊】ということばは1文字で使える

【弊】という漢字は他の漢字とくっついて熟語として使うことが多いイメージがある。しかし実は、日中韓越すべての言語で、漢字1文字分の1語のみで「悪い」というような意味として使われることもある。漢文(昔の中国語)にもある用法である。

漢文
  土弊即草木不長
  (土地が劣悪であれば草木は成長しない)

日本語
 へい【弊】
  上意下達の弊に陥る。

中国語(普通話
 bì【弊】
  弊多利少。
  bì duō lì shǎo
  (弊害が多くて利点が少ない。)

韓国語
 폐【弊】
  이번에는 여러 가지로 폐가 않았습니다.
  (この度はいろいろご迷惑をおかけしました。)

ベトナム語
 tệ【弊】
  Bữa trưa của tôi rất tệ.
  (私の昼ご飯はとても悪い。)

こうしてみると、昔の漢文と現代の日中韓越の各言語が脈々と繋がっているのだなあと、しみじみと感動する。漢文を学び直してみてもおもしろいかもしれない。