アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

【博物館】をなんというか

今度は日中韓で共通する語彙を。ベトナム語だけちょっと違うのでご注目。

 

日本語

はくぶつかん【博物館】

 

中国語(普通話

bo2wu4guan3【博物馆】

 我喜欢去博物馆看各种展览。(私は博物館に行って様々な展示を見るのが好きです。)

 

韓国語

박물관【博物館】

 이 박물관에서는 사진 촬영을 금지하고 있습니다.(この博物館では写真撮影を禁じています。)

 

ベトナム語

viện bảo tàng【院・宝蔵】

Đó là viện bảo tàng.(それは博物館です。)

 

ベトナム語だけ異彩を放っている。

それはベトナム語だけやたらと例文のレベルが簡単なこと。This is a penのレベルだ。なるほどこれはつまり私のベトナム語のレベルを物語っている──。いや、そういう話ではない。

 

ベトナム語だけ、単語が異なるし、語順も違うことに着目したい。

文字通り見ると「宝蔵」の「院」という意味だが、日中韓とは異なり、後ろから前を修飾しているのがベトナム語らしい特徴。

「宝蔵」は中国語にもあり、bao3zang4【宝藏】で「秘蔵の宝物」という意味。漢和辞典(昔の中国語)にも「宝蔵」が出ており、「貴重な品をしまっておく蔵」という意味。

ベトナム語のviện bảo tàng【院・宝蔵】は、おそらく中国語から来た「宝蔵」を、ベトナム語流に「院」とくっつけた造語なのだろうと思う。