昔、韓国語を学んでいたとき、記憶によく残っているフレーズがある。
물론이에요.(むるろにえよ)
「もちろんです」という意味だ。日本語の「もちろん」と韓国語の「むるろん」が語感的によく似ていてしっくりする。
これは当然ながら共通の漢字語彙のためである。
日本語
もちろん【勿論】
韓国語
물론【勿論】
中国語(普通話)
該当なし
該当なし
【勿論】という漢字の読み方が似ている。ただし、【勿】の入声の-tが日本語では母音を足して「ち」になり、韓国語では「ㄹ」になっているのは特徴的な違いだ。
なお【勿論】の語源は漢文の「論ずること勿かれ」に由来するらしい。
しかし現代中国語(普通話)とベトナム語では【勿論】は使われていない。昔の漢文の化石が日韓に残ったのか。
そして現代中国語(普通話)とベトナム語では、【勿論】の代わりに何というかというと、【当然】という。【当然】は日韓でも使用する。
日本語
とうぜん【当然】
中国語(普通話)
dang1ran2【当然】
韓国語
당연【当然】(당연하다,당연히の形で使う)
Đương nhiện【当然】
「もちろん」という言葉から色々調べて知識が広がっていくのはおもしろい。