アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

【勿論】【当然】もちろん=むるろん

昔、韓国語を学んでいたとき、記憶によく残っているフレーズがある。

 

물론이에요.(むるろにえよ)

 

「もちろんです」という意味だ。日本語の「もちろん」と韓国語の「むるろん」が語感的によく似ていてしっくりする。

 

これは当然ながら共通の漢字語彙のためである。

 

日本語

もちろん【勿論】

 

韓国語

물론【勿論】

 

中国語(普通話

該当なし

 

ベトナム語

該当なし

 

【勿論】という漢字の読み方が似ている。ただし、【勿】の入声の-tが日本語では母音を足して「ち」になり、韓国語では「ㄹ」になっているのは特徴的な違いだ。

 

なお【勿論】の語源は漢文の「論ずること勿かれ」に由来するらしい。

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://core.ac.uk/download/pdf/327169984.pdf&ved=2ahUKEwi0oNWQo576AhV6t1YBHV9FCbgQFnoECAgQBg&usg=AOvVaw29wptuciOEvseXnT5T0fQU

 

しかし現代中国語(普通話)とベトナム語では【勿論】は使われていない。昔の漢文の化石が日韓に残ったのか。

 

そして現代中国語(普通話)とベトナム語では、【勿論】の代わりに何というかというと、【当然】という。【当然】は日韓でも使用する。

 

日本語

とうぜん【当然】

 

中国語(普通話

dang1ran2【当然】

 

韓国語

당연【当然】(당연하다,당연히の形で使う)

 

ベトナム語

Đương nhiện【当然】

 

「もちろん」という言葉から色々調べて知識が広がっていくのはおもしろい。