アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

日本円、中国元、韓国ウォンの由来は一緒だという話

中国語や韓国語を学んでいると、通貨の名前がひっかかる。日本円(エン)、中国元(ユェン)、韓国ウォン・・・。なんだか微妙に響きが似ている?
実はこのお金の名前、由来は一緒なのである。
中国は清の時代、香港でまるいお金が生まれ、【圓】と呼ばれるようになった。日本人がそれを参考にし、日本の通貨名も【圓】(エン)となった。【圓】は画数が多くて書くのが大変だから、やがて略字の【円】(エン)に変化していった。
朝鮮半島では日本の影響で、通貨の名前を【圓】(ウォン)とするようになった。ウォンは韓国朝鮮語での【圓】という漢字の読み方だ。やがて朝鮮半島では漢字を使わなくなり、ウォンという音だけが残った。韓国だけでなく北朝鮮の通貨名も同じウォンである。
さて、もともとの中国では【圓】が使われてきたが、画数が多くて書くのがじゃまくさくなってきた。そこで思いきって同じ音の【元】(ユェン)を代用するようになったそうだ。
このように日中韓朝は別々の国だが、お金の名前という文化の根底はつながっていてオトモダチなのである。
ところでベトナムはどうか。ベトナムの通貨「ドン」は漢字の【銅】のベトナム漢字音である。銅銭を使っていたから【銅】(ドン)と呼ぶようになった。日中韓とは由来が異なるが、漢字がルーツになっているという点では同じである。これまた興味深い。

参考文献「日本人と漢字(笹原宏之 著)」