アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

【読書メモ】中国古典を読むために 中国語学史講義 (頼惟勤 著 / 水谷誠 編)

中国語の音韻論(中国音韻学)について独学したくて、参考になりそうな書籍を読んでいる。その中の一冊。1977年度に早稲田大学でおこなわれた講義を、お弟子さん(?)がまとめたものである。


お弟子さんがなるべくわかりやすいようにまとめておられるのだが、それでも簡単ではない。中国語という言語を知るための歴史的文献を、古い順に解説しているのだが・・・これは一度読んだだけで理解できるたぐいのものではない。


昔の中国語の音がどのようなものであったか、手っ取り早く知りたいのだが、本書はそれを許してくれない。あくまで、歴史的な文献を紹介し、それらの特徴と時代背景を解説している。昔の中国語を本格的に学ぶための基礎体力作りのような内容だった。かなり重厚。


そんな中でも手っ取り早く書かれた部分があった。今の北京語で j-, q-, x- といっているものには起源がふたつあり、一方は z-, c-, s- で、もう一方は g-, k-, h- だという(p.368)。なるほど。こういうことをもっとたくさん知りたい。知りたいのだが、本書はそんなショートカットを許さない。あくまで文献に取り組みなさいと怒られているような感じがする。


昔の中国人が、梵語サンスクリット語)に触れることによって、当時の中国語についてより深く観察できるようになったという話があり、興味深かった。現代の日本人が外国語を学ぶことで、外国語と日本語の違いに気づくのと一緒なのかなと。


本書は【書評】を書けるほど、内容を理解することができなかったので、【読書メモ】というブログタイトルにしてお茶を濁しておく。難しい本なので安易におすすめはできません。本格的に学びたい方向け。