アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

【太陽】ということば

【太陽】ということばは、日中韓越に共通している。


日本語
 タイヨウ【太陽】


中国語(普通話
 tàiyáng【太阳】
  太阳的引力对地球有影响。
  tàiyáng de yĭnlì duì dì qiú yŏu yĭngxiăng
  (太陽の引力は地球に影響を及ぼす。)


韓国語
 태양【太陽】
  태양의 인력은 지구에 영향을 미친다.
  (太陽の引力は地球に影響を及ぼす。)


ベトナム語
 thái dương【太陽】
  thái dương hệ
  (太陽系)




【陽】という字について。

中国語と韓国語の音はよく似ている。どちらも"yang"のような音。

日本漢字音では"ヨウ"だが、歴史的仮名遣いでは"ヤウ"である。今まで何度もご紹介したように日本漢字音の"-u"は"-ng"が変化したものである。だから、yang>yau>youという風に昔の中国の漢字音から現代日本漢字音へ、脈々とつながっていることがわかる。

ベトナム漢字音はあいかわらず勉強不足でよくわからない。"dương"は無理矢理ローマ字で書くと"zuong"や"zuang"のような音(ちょっと違うが)。なぜ"yang"から"z-"の音が生まれたのだろうか。不思議に感じる。

素人なりに考えてみた。

そもそも"y-"は舌の真ん中あたりを口の上の方に近づけて出す音である(ですよね!?)。その舌と口の上が当たる位置を徐々に前の方にずらしていって、舌の先の方を口の上の歯の近くに当てると"z-"になる。こういう変化がベトナム語で起こったような気がする。
(素人の考えです。間違っていたらご指摘ください)

漢字音の歴史的変化と地理的分布と、それから音声学を、学びたい。