今回は【電池】をみる。
日本語
でんち【電池】
中国語(普通話)
diànchí【电池】
韓国語
전지【電池】
ベトナム語だけいきなりフランス語由来の語彙である。フランス語が分からない私などは戸惑ってしまう。
ベトナムがフランス領だったときに電池がベトナムに持ち込まれたのだろうか。様々な歴史とともに言語は混ざっていく───。
水族館に行ってきた。思ったよりも外国からの観光の人がかなりたくさんいた。中国語があちこちでよく聞こえてきて、それに混じってときどき英語と韓国語、あとは知らない言語がパラパラと。
コロナ前に戻りつつある確かな感触があった。日本が入国制限を緩和することの良し悪しはまだ分からない。
今回はその【水族館】を各言語でなんというかをみる。
日本語
すいぞくかん【水族館】
中国語(普通話)
shuǐzúguǎn【水族馆】
国内最大的水族馆。
guónèi zuì dà de shuĭzúguăn
(国内最大の水族館。)
韓国語
수족관【水族館】
국내 최대의 수족관.
(国内最大の水族館。)
thủy cung【水宮】
日中韓は共通しているので覚えやすい。越のみ異なる。
ベトナム語は私は日本最大のベトナム語辞典「詳解ベトナム語辞典」を用いているが、thủy cungの項目はもしかして間違っているのではないかと思う。お持ちの方は開いてみてほしい。マイナー言語の独学は難しい。
(本記事は2022-09-07の投稿の再掲です)
Duolingoでいい例文を見た。
你要相信你自己。
You must believe in yourself.
そうだよな。自分自身を信じないといけないよな。
さてここで使われている【相信 xiang1xin4】は「信じる」という意味。決して「互いに信じ合う」のではない。
【相】は「互いに」という双方向の動作のみを表すと思っていたが、【相信】の【相】は、おそらく一方通行の動作を表しているのではないか。
中日辞典の【相】には、「一方が他方に働きかける行為や態度を表す。主として単音節動詞を修飾する」という用法が書かれている。
漢和辞典の【相】には、「ある対象が想定される関係の中で動作が一方向にのみ向かうことを表す。(訳出しないか、対象を「私に」「彼に」などと明示して訳す)」とある。
この意味で【相】を使う単語は、日韓越ではほぼ皆無なのではないか。
(一部、微妙なものがあり、例えば日本語の【相談】は、場合によっては相談する側が相談される側に悩み事を伝える等という一方向的な動作に重点を置くともとらえられるが(例 「お忙しい中、すみません。相談があります。」)、相談された側が相談する側に返答することが一般的であり、そこから相互の意見交換が続くことも多く、また相談する側も返答や意見交換を期待するのが自然と考えられるので、双方向の話し合いという意味合いの方が強いと思う。以上、【相談】という日本語の用法の内省をしてみたが、頭が痛くなってきた)
話を戻すと、中国語の【相信】は「互いに信じ合う」のではなく、「〜を信じる」という意味。
中国語は一文字よりも二文字の熟語を好む傾向があると聞いたことがある(例「帽」→「帽子」)。
その流れの中で、「信」→「相信」というように生まれたのだろうか?
辞書を眺めながらまた頭をかかえてしまう。
最後に【相】が一方通行ではなく、「互いに」の意味で使われている表現の例を、日中韓越でピックアップしてみる。
日本語
【相違 そうい】互いに異なること。
中国語(普通話)
【相识 xiang1shi2】知り合う。
韓国語
【相関 상관】関係。かかわり。
【相愛 tương ái】男女が互いに愛し合う。
今回は日韓(中)で共通するものを。
日本語
ひゃっかてん【百貨店】
中国語(普通話)
bǎihuòshāngdiàn 【百货商店】
bǎihuògōngsī 【百货公司】
bǎihuòdiàn 【百货店】
băihuòdàlóu【百货大楼】
回家的路上,我去了百货商店买了一个包。
huí jiā de lù shàng wǒ qù le bǎi huò shāng diàn mǎi le yī gè bāo
(家に帰る途中、私は百貨店に行ってかばんを1つ買った。)
韓国語
백화점【百貨店】
나는 집으로 가는 길에 백화점에 들러 가방을 하나 샀다.
(私は家に帰る途中、百貨店に立ち寄ってかばんを1つ買った。)
cửa hàng bách hóa【みせ + 百貨】
中国語は色々言い方があって戸惑う。
参考: 「デパート」と“百货大楼” - 公益社団法人 日本中国友好協会(日中友好協会) (j-cfa.com)