アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

(再掲) 【中国】を何というか

(本記事は2018/9/19の投稿の再掲載です。多忙のため再掲載でお許しください)


国名シリーズ第2弾、中国です。




日本語

ちゅうごく(中国)




中国語(普通話

Zhōngguó(中国)




韓国語

중국(中國)




ベトナム語

Trung Quốc(中国)




今回は語末の子音に注目してみたいです。




【中】の語末は、日本語以外は-ngの音で共通しています。日本語だけは代わりに「う」の音で終わっています。大昔の日本が漢字音を取り入れるときに、-ngの音を「う」に置き換えたと聞いたことがあります。

【国】の語末は、韓国語とベトナム語が-kでして、これが昔の本来の漢字音を残しています(入声(にっしょう)と呼ばれる音)。

日本語では-kのさらに後ろに母音uを付け足しています。日本人には-kの子音で終わる発音ができないので、このような形で入声の痕跡を残しています。

中国語(普通話)では、大胆にも-kの音を削り落としてしまっています。一説によれば北方民族が北京に入ったときに、入声の発音ができないので根こそぎ省略するようになったのだとか。




昔の漢字音の痕跡が現代中国標準語(普通話)に残っておらず、周辺言語である韓国語・ベトナム語・日本語に化石のように残っているのは、とても不思議で面白いですね。

仕事でたまにインドとメールのやり取りをすることがあるのですが、イギリス領時代の名残でしょうか、古風なブリティッシュイングリッシュ風の単語や言い回しがやたら多いのを思い出しました。

言語は中心発生的なところから遠くに離れるにつれて昔の姿を残しているという「方言周圏論」という考えがありますが、国を超えてもこういう現象がみられるのはとても興味深いところです。