アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

【祖国】をなんというか

前回の例文はなんだか戦争っぽくておどろおどろしいが、使いまわしして、今度は【祖国】を日中韓越でなんというかをみる。

日本語
 祖国【祖国】

中国語(普通話
 zŭguó【祖国】
  保卫祖国是军人的天职。
  băowèi zŭguó shì jūnrén de tiān zhí 。
  (祖国を守ることは軍人の天職だ。)

韓国語
 조국【祖國】
  조국을 보위하는 것은 군인의 천직이다.
  (祖国を守ることは軍人の天職だ。)

ベトナム語
 tổ quốc【祖國】
  bảo vệ tổ quốc
  (祖国を守る)

例文を使いまわしして終わるだけでは芸がないので、音を比べてみる。本来は音声学の用語を用いるのが適切なのだろうが、めんどうなので適当に書かせていただく。
まず【祖】の音だが、日中韓越でよく似ている。日本語の"そ"、中国語(普通話)の"zŭ"、韓国語の"조"、ベトナム語の"tổ"の子音はすべて、舌の前の方を口の上に当てる音という点で似ている。母音は、日中韓越が"o"っぽい音で、中国語(普通話)だけは"u"っぽい音。
次に【国(國)】の音だが、語頭の子音は日中韓越すべてが舌の後ろをのどちんこあたりに当てる"k"っぽい音。母音は、中国語(普通話)とベトナム語は"uo"っぽい音、日本語は"o"っぽい音、韓国語は"u"っぽい音で、四言語でなんとなく似ている。語末の子音は、韓国語とベトナム語は舌の後ろをのどちんこあたりに当てて"k"っぽい形にするが音は出さずに止める(入声という)。日本語は"k"っぽい音(入声)のあとにさらに母音"u"を足して"ku"としている。中国語(普通話)は昔は"k"っぽい音(入声)があったが現代では消滅した。
───とまあこんな理屈っぽいことは考えずに、なんとなく似ているなあと思いながら丸暗記するのが一番簡単なのだろう。。。