アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

「島」ということば / 日韓同系論?

「島」ということばを日中韓越でなんというか見てみる。


日本語
 しま(訓読み)【島】


中国語(普通話
 dǎo【岛】
  济州岛是韩国最大的岛。
  jìzhōudăo shì hánguó zuì dà de dăo
  (済州島は韓国最大の島だ。)


韓国語
 섬(しま)
  제주도는 한국에서 가장 큰 섬이다.
  (済州島は韓国で最も大きい島だ。)


ベトナム語
 đảo【島】
  Châu Đại Dương có rất nhiều đảo.
  (オセアニアにはとても多くの島がある。)


中越は漢字の【島】をそのまま読んで使う。発音もかなり近くて覚えやすい。中国語とベトナム語が近くて学びやすいと感じる瞬間だ。


一方で日韓はそれぞれの固有語を使う。韓国語の섬は"som"のような発音だが、これが実は日本語の「しま」"shima"と関連性があるのではという議論もある。"s"と"m"の子音の並びが似ているから? これが、はたして日本語と韓国朝鮮語が同一の祖語から分岐したことを示す証拠なのか、あるいは古代に借用語としてどちらかからどちらかに伝わったのか、それともたまたまの偶然で似ているだけにすぎないのか。このあたりは安易に結論は出せないものと思われる。日本語と韓国朝鮮語につながりがあるとすればそれはとてもロマンのある話だが、どこまで妥当なのかは分からない。しかし少なくとも実用面でいえば、韓国語で「島」は日本語の「しま」にちょっとだけ音が似ている、と覚えるきっかけには役立てられる。