アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

公園で方言に思いをはせる

私は関西在住、関西弁をこよなく愛する関西弁原理主義者。
先日、関西の某公園に行くと・・・


↓このボルダリングコースの上の方に・・・


↓よくみると・・・


おもいっきり「あかん!」
メッセージ性が強い!
関西弁で「だめ!」という意味ですね。
地元のことばを大切にするすばらしい看板。


そして・・・


↓このボルダリングの影をよくみると・・・


↓雨から逃げてきた「でんでんむし」がかくれんぼ。



「でんでんむし」も関西弁ですね。標準語では「かたつむり」。

「方言周圏論」という考え方があります。ことばは文化の中心地で新しく生まれ、古いことばはその外側にどんどん広がっていく。文化の中心地ではどんどん新しいことばが生まれるから、それがさらにどんどん広がっていく。文化の中心地から円のように方言が分布していて、外側にいくほど昔のことばが残っているという説です。

それを提唱したのが柳田國男の「蝸牛論」。まさしく「かたつむり」の方言がどのように日本に分布しているかを示したものです。
この説によれば「でんでんむし」ということばが一番新しいもので京都を中心とした近畿地方に分布している。
その次に新しいことばは「まいまい」で、京都から少し離れた中部地方・中国地方に分布している。
それより古いことばが「かたつむり」で、もう少し離れた関東地方・四国地方に分布している。
もっと古いことばになると「つぶり」で、京都からかなり離れた東北地方・九州地方に分布している。
最古のことばは「なめくじ」で、東北地方北部・九州地方西部といった、京都からとても離れた場所に分布している。

※なおこの方言周圏論にも批判があります。必ずしもこの説が正しいとは限りません。


公園の「あかん!」の看板と、物陰に隠れる「でんでんむし」をみて、方言に思いをはせる1日でした。