アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

【貿易英語の思い出】ex go down インコタームズにない貿易条件

輸出入をするときには貿易条件というものがある。非常に簡単に言うと売り主と買い主がどこで商品を受け渡しするか、売り主がどこまで費用を負担するかということ(合っていますよね?)。

例えば、日本の工場で作られた製品を船に乗せてドイツの倉庫まで輸送するときに、日本の工場から神戸港までの輸送は日本の売り主が手配して、神戸港からドイツの倉庫までの輸送はドイツの買い主が手配しよう、というときは、主にFOB KobeとかFCA Kobeという貿易条件にする。

これは商取引の世界で慣習的に用いられていたものだ。それをまとめたのが、インコタームズ(Incoterms)である。貿易のテキストや講習会などでは必ず出てくる。

ただしインコタームズは、あくまでも商取引の慣習をある程度整理してまとめただけのものであり、実際におこなわれている商取引とはズレていることが往々にしてある──。

私が輸出入貨物の取扱業務を始めてすぐの頃に担当した案件の貿易条件はex go downであった。先輩から「これ、インコタームズにないからね」と言われたのをはっきりと覚えている。

そのex go downの案件とは、売り主が製品を海上輸送用に輸出梱包し、神戸港付近の指定の倉庫に配送して、そこで買い主に受け渡して終わり、というものであった。ex go downはあえて日本語に訳せば、「指定倉庫渡し」とでもなるのだろうか。

次回に続く。