アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

【貿易英語の思い出】欧米のFOBには要注意

最後にFOB(Free On Board)をみる。これはインコタームズでは、製品を輸出港で船に載せたところで、売り主から買い主に引き渡される的な意味とされている(厳密には少し違うが)。

 

しかし、アメリカや、ヨーロッパの一部では、そうではなくて事実上EXW(ex works)(出荷する工場・倉庫渡し)として運用される。

 

ヨーロッパから日本への輸入の案件があり、貿易条件はFOBであった。早くヨーロッパ側で船に積む段取りをしてくれないかな、と待っていたら、先方から、いつになったら製品を引き取りにくるのだ、とクレームが入った。いやいやFOBですやんかと思ったが、現地では事実上EXWとして認識しているらしい。

これには参った。私の経験不足と確認不足を痛感した。たしかにアメリカでは「改正米国貿易定義」というものがあり、FOBの解釈がインコタームズとは異なることは知っていたが、ヨーロッパでもそういうことがあるとは誰も教えてくれなかったし、どこにも書かれていなかった。

 

以上4回に渡って、教科書にはあまり載っていないような貿易条件の話をさせていただいた。やはり実務の世界でないと知ることができないことが多かったように思う。語学学習でもテキストだけではなく実際にその言語を使わないとわからないことも多いが、それと一緒なのだろう。