アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

【危険】をなんというか

【危険】ということばも日中韓越で共通しています。

日本語
 きけん【危険】

中国語(普通話
 wēixiǎn【危险】
  晚上单独外出有危险。
  wănshàng dāndú wàichū yŏu wēixiăn
  (夜にひとりで外出するのは危険だ。)

韓国語
 위험【危險】
  밤에 혼자 외출하는 것은 위험하다.
  (夜にひとりで外出するのは危険だ。)

ベトナム語
 nguy hiểm【危險】
  Ai nguy hiểm?
  (誰が危険なのか?)

今回はがんばって【危】という漢字音について考えてみる。
【危】の昔の中国語の読み方は"ngye"だと推定されるらしい。
日本語では"キ"と読むが、これは慣用音である。漢音では"ギ(グヰ)"と読む。"ngye"から"グヰ"を経て"ギ"となった。こう見るとベトナム語が"ngye"から"nguy"になったのと似ている。
韓国語の"위"や普通話の"wēi"も、どことなく"ngye"から変化したようにみえる。
こういう比較言語学的な漢語音韻学(?)を学びたいのだが、なかなか一般書が見当たらない。ネット上で大学の先生が学部の授業で用いた漢語音韻学の資料を公開されているのを発見したので、それを少しずつ読んでいこうと思う。