アジアのお箸

中国語・韓国語・ベトナム語・広東語が似ているので同時学習してみるブログ(東アジア漢字文化圏の言語の比較・対照)

(再掲) 【フランス】を何というか

(本記事は2018/10/6の投稿の再掲載です)


国名シリーズ第7弾、おフランスです。




日本語

フランス(France)

ふっこく【仏国】




中国語(普通話

Fǎguó【法国】




韓国語

프랑스(France)




ベトナム語

Pháp【法】




日韓では英語の【France】の音を借用して言うのが一般的なようです。

日本語では堅い表現では【仏国ふっこく】もあり、【仏蘭西】という当て字から来ています。

韓国語については、辞書(小学館朝鮮語辞典)では【仏国불국 】や【法国법국】(後述の中国語由来)も載っていますが、ネットで調べる限りこういう表現は一般的ではないようです。単に【France프랑스】といい、ある意味日本人にはわかりやすいかもしれません。

中国語では当て字が【法蘭西】と異なり、そこから生まれた【法国Fǎguó】という言い方を用います。

ベトナム語では中国語を借用して【法Pháp】と言います。いかにもLoan wordという感じですね。ベトナムはフランス領時代がありましたが、フランスの名称をフランス語でなく中国語からの借用語で呼ぶのは不思議な感じがします。




2021/09/07追記

「中国語における東西言語文化交流―近代翻訳語の創造と伝播」という書籍によると、フランスの漢語訳は、当初、香港において粤語(広東語)の音をもとにした「仏」が主流であったが、その後、上海において呉語(上海語)の音をもとにした「法」が主流になったようです。